イギリス政府の受け入れ体制は「理想から程遠い」

――イギリスに到着して2週間経ちますね。イギリスのウクライナ難民受け入れシステムについて、どう感じていますか?

マリーナ とても残念なものです。ドイツやポーランドと異なり、金銭面でのサポートがありません。銀行口座を作るには新しい住所の証明が必要で、子どもたちを学校に行かせるには銀行口座が必要です。居住許可がないと働くこともできません。

主人はウクライナで仕事が無く、私がイギリスで働かなければなりません。しかし、私には必要な書類も、十分な英語力もないのです。どうやって仕事を見つければよいのでしょう。

オリーさん(以下、オリー)イギリス政府はウクライナ人の受け入れを、とても慌ただしく進めました。難民の受け入れには消極的で、イギリス人があまり関心を持っていないことは明白でした。マリーナが言った通り、彼女には銀行口座がありません。彼女が入国して2週間経ちます。口座の開設までにはおそらく1カ月は必要でしょう。

「職もお金も支援策もない」急増するウクライナ難民たちの今_b
「他のヨーロッパは難民を受け入れているのだから、イギリスももっと行動を起こすべきだ」と話すオリ―さん

彼女はまだ政府から何の支払いも受けていません。政府は彼女と子どもたちがイギリスに到着した時、ひとりにつき給付金を200ポンド(約32000円/5月22日時点)ずつ支払う予定でした。

ところが、政府はどこが給付金を管理しているかも分からないと言う始末です。いつ支払われるかは分かりません。彼女は入金のための書類や銀行口座を持っていないので、給付金を申請することもできません。何も収入源がないまま4~6週間が経ってしまいます。

彼女は今、私たち家族と生活しているので、お金などの手助けができますが、その余裕がないイギリス家庭もあるかも知れません。今の状態は、完璧な体制からは程遠いです。