「衝動」を言語化せよ

──言葉に説得力があるわけですね。

フリーランスになるのは全然いいんです。でも、例えば半年後にフリーになると決めたんだったらなにをやったら成功するか、これだったらあと2つは得意先をゲットしないと難しい……とか考えないといけない。

それに半年後に辞めるとして、辞める原因がパワハラ上司だったら、その間はその人を無視できるじゃないですか。それで無視した結果、逆に会社が居心地よくなるかもしれない。もっと言えば、半年の間にその上司を社会的に排除できるいい方法が見つかるかもしれないし(笑)。

──でも、会社を辞めたい人って、ある種の「衝動」に突き動かされているじゃないですか? 佐久間さんみたいに理知的に半年後のことを考える人はなかなか少ない気が。

そうっすね、衝動……。だからね、やっぱり衝動の解像度をあげるのが大事なんです。

僕は就職したときにテレビ界、芸能界が向いてないと思って、そこからやらない仕事を決めてきたから、ここまで続けてこれたんですよね。それこそ、ゴールデン枠とか旅番組とかはやらなかった。自分の苦手なものを解像度を上げて考えてきたんです。そのまま会社や業界に適応しようとしたら、折れちゃっていたと思う。

だから、自分の嫌だと思っている衝動の解像度をあげることはすごく大事。逆に解像度が粗いと、無理なものを仕事として請け負ってしまう。

解像度をあげる技法は書籍でも触れられている
解像度をあげる技法は書籍でも触れられている

──自分がどういう人間なのかを考えるってことですよね。そのとき、SNSをはじめとして、あまりにもいろんな情報があるじゃないですか。そういう情報との上手い付き合い方ってあるんですかね。

僕は本当に、「うまくいってる人」と「うまくいってない人」の両方の情報を入れるようにしてますね。 大失敗してる人の話、大好きなんです(笑)。

まったく馬鹿にするつもりじゃないし、失敗している時点で挑戦していてすごいんですが、失敗って成功した人より学びが多いじゃないですか。成功は単にはじめからそのチョイスが当たってた場合もあるけど、 失敗は失敗したなりの理由が必ずある。それを考えていくと、少なくとも「やってはいけないこと」が見えてくる。