テクノロジーの進化が引き起こす「定年4.0」、従来の概念をアップデートする必要性

中高年の方々はこれから、さまざまな外部環境の変化と向き合っていく必要が出てきます。これはある種、向かい風というか、強制的かつ不可避な大きな流れとして私たちを待ち受けている大局です。

こうした環境下で、残りの人生を自分の思い通りに、やりたいことを楽しくやる、やりたい仕事をやるためにはどうしたらよいのでしょうか。

経済コラムニストとして活躍されていた大江英樹さん(2024年1月ご逝去)の2018年の著書『定年3.0 50代から考えたい「その後の50年」のスマートな生き方・稼ぎ方』(日経BP)は、ご自身の定年の経験から人生100年時代を安心して楽しく暮らすためのヒントが満載です。その中で、定年3.0に至る過程が、

•定年1.0:生活の不安なくのんびりと暮らせた時代
•定年2.0:「老後のお金」に関する常識が大きく変化した時代のシニア像
•定年3.0:「お金」「健康」「孤独」の3つの問題をそれぞれが解決していかなければならなくなった

と分類されています。

〈定年4.0時代到来〉中高年が知るべき労働市場の4つの変化…「人材不足の分野の仕事しか高齢者には選択肢がない」現状に抗う術はあるのか?_1
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そして、この定年3.0の考え方をベースにしつつも、まだ定年前の私たち現役世代が今後向き合わなくてはいけないのが、定年後も積極的に働くことを前提にしていかざるを得ない、という現実です。

定年後も働く必要性については、追って詳しく見ていきますが、そうした変化を考慮すると、私たちが描くべき定年の姿とはどのようなものになるのでしょうか。

私は、その姿を「定年4.0」として、次のように定義しました。

•定年4.0:リスキリングで現在の雇用に頼らない人生とキャリアを自ら創造する