健康への配慮も、物理的な環境づくりから
――週刊連載の過酷さは漫画を取り巻く環境の中でも大きな問題だと思うのですが、赤坂先生が健康について気をつけていることはありますか?
気をつけているというか、物理的に徹夜ができなくなりました(笑)。夜になると、寝ちゃうんですよね。寝る時間も早くなっていて。でも、水木しげる先生も「寝れば早死にしない」って言っていたので、素直に寝るようにしています。
――20代の頃みたいに徹夜できなくなって、逆によかったということですよね。
そうですね(笑)。あと、エナドリをやめたのも大きな変化だと思います。コーヒーはいまだにちょっと飲んでるんですけど、糖分の摂りすぎはよくないってことに気づいたので、今は水が美味しいですね。
――エナジードリンクと水の差は絶対に大きいですね。
これも物理的な対処で、水や味のついていない炭酸水を箱で買っておいて、家事代行サービスの方に冷蔵庫に入れておいてもらっています。そう、家事代行をお願いしているのも大きいですね。僕は掃除ができないので、もう諦めてやってもらっています。
「その分、自分は頑張って家事代行サービスをお願いするためのお金を稼ごう」って切り替えました。自分が抱えていたいろんな問題が物理的に解消できるようになっていったのは、すごく嬉しい話です。
――「自分の特性を知って、物理的に対処していく」。これは誰にとっても強力な助言となりそうですね。
そうだといいなと思います。僕も昔は「ちゃんとやるから」って言ってたんですけど、今はちゃんと「できません」って言うようにしました。遅刻するときも「あと5分で着きます」と言って10分かかるのではなく、初めに「10分かかります」と言って5分で着くようにしています。
――それは重要ですね(笑)。
「できる」と見栄を張らないのは、大人になったってことかなと思います。そのほうが結局みんな不幸にならないですし。ただ、原稿だけは「大丈夫、今夜中にやります」って今でも言っちゃうんですけど……(笑)。
――(笑)。最後に、赤坂先生は現在36歳ですが、40歳までにしたいことはありますか?
筋トレですね。過去に何度か調整してみては、継続できないという失敗を続けてきたので、成功したいんですよね。自分を抑える能力の低さにほとほと自分でも呆れてます。
筋トレに成功できたら、それは僕の特性が変わったと感じられる瞬間なのかなと思うので、そんな自分になりたい。それが憧れですね。
取材・文/照沼健太