【注意】このインタビューは、漫画『ゴールデンカムイ』の完全なネタバレを含みます。ご了承いただける方はお読みください。
全力で駆け抜けた週刊連載を終えて…
――約8年間にわたる連載お疲れ様でした。最終回に呼応するように単行本も既刊全巻に大重版がかかり、最終巻の初版部数も急遽10万部増刷。累計部数も2300万部を超えたと伺っております。最終巻も発売されたことで『ゴールデンカムイ』の漫画に関するお仕事は、ひとまず終わられたと伺いました。ぜひ、今のお気持ちをお聞かせください。
今、おっしゃっていただいたことを伺って、多くの読者の皆さんが、この作品を肯定してくれているのが伝わってきました。
最新話を含む全話無料公開とか、最終回へのカウントダウンとか、実写化の告知とか、ゴールデンカムイ展とか、本当に全ての情報戦といいますか、担当(ヤングジャンプ編集主任・大熊八甲)さんとの作戦が上手くハマった感じも大きかったと思います。総じて、努力が報われたなと思いました。
――「日本漫画家協会賞」の大賞を獲って有終の美を飾られました。
漫画家協会賞は歴史のある賞ですし、トリを飾るという意味でも獲りたかったです。
漫画家協会賞に限らず、各漫画賞受賞、TVアニメ、実写化のご企画のお話等をいただけたことは、読者さんや有識者の方々から評価を頂いた形だと思いますので嬉しいです。
――週刊連載を終えられ、現在、どのような生活をお過ごしでしょうか。
TVアニメ四期の設定や絵コンテのチェックも届きますし、実写版の脚本も次々と届きます。漫画やアニメと違って実写は実写の論法、脚本というのがあると思うんです。例えばですが、基本的に原作を尊重していただいていますが、主人公ではない様々なキャラが、モノローグで心情を伝えるという表現はアニメまでだと思うんですよね。
モノローグを削る代わりに、それらをセリフや映像に遠慮なく変換できるのは、原作者の僕しかいないと思うので、完全に作品から離れる生活は、現在も出来ていません。