トランプ!トランプ!トランプ!
ここニューヨーク州は、いわゆるスウィング・ステーツ(激戦州)ではないので、カマラ・ハリスが勝つのが当然という空気が流れているように感じる。
クオリティ・ぺーパーのNYタイムズ紙は早々とカマラ・ハリス支持、と言うよりは、トランプ返り咲き阻止を堂々と掲げているので、そのことを念頭に置いて読まなければならない。
アメリカの大統領選挙の仕組みは、州ごとに割り当てられた選挙人で、より多く(今の数で言えば270人)を獲得した側が全米の大統領に就任する仕組みになっている。これ自体が実に理不尽で分断を生む原因にもなっているのだが、総得票数で勝っていても獲得選挙人の数で負けていれば、敗者となる。
全米で最も信頼されている(と言われている)世論調査サイトRealClearPolitics(RPC)が4日付で紹介している最終局面の調査では、7つの激戦州のうち5州でトランプがリードしているとの数字が出ている。けれども僅差で誤差の範囲内と言われる。以下がその概要(カッコ内は選挙人の数)。
ペンシルベニア州(19) トランプ48.5 ハリス48.1
ミシガン州(15) ハリス48.8 トランプ48.2
ウィスコンシン州(10)ハリス48.6 トランプ48.2
ノースカロライナ州(16)トランプ48.7 ハリス47.5
ジョージア州(16)トランプ49.1 ハリス47.8
アリゾナ州(11)トランプ49.1 ハリス46.3
ネヴァダ州(6)トランプ48.2 ハリス47.6
このうちペンシルベニア州の結果が勝敗を大きく左右すると言われている。
RPCではトランプがリードしているが、他の調査ではハリスが勝っているとしているところもある。結局はふたを開けてみないと分からないのだ。こんな他国のことに一喜一憂する僕ら日本人は一体何者なのだろう、と自問する。
寄宿している知人宅がチャイナタウンの近くなので、朝粥を食べに手近なレストランに寄ってみたら、そこにいた高齢の女性が話しかけてきた。
63歳のケリーという女性で、一目で中国人ルーツとわかる。トランプの熱烈な支持者だった。夫がイタリア人で、息子は今、スウェーデンのストックホルムで建築を勉強しているという。
裕福な感じの女性だが、僕と同じく同じ朝粥を食べに来ていた。世界40か国ほどを夫と共に回ったという。スマホにストックされた写真をイヤというほど見せられた。ぜんぶ満面の笑みで幸福そうな姿だった。
トランプ!トランプ!トランプ! 今にも叫び出しそう。
「世界を豊かにするチカラのある男なの」トランプを支持しているのはこういう女性たちなんだろう。国籍とかそんなことは関係ない、と実感する。
要するに、チカラが正しい、チカラが正義、それに従って何が悪いの?ということなのだ。
それでもこの店の朝粥はなかなか美味しかった。