「人につかわれたくない」と話していた
男性も「直接被害」を受けたことがあるという。その当時、男性の机は千明容疑者のすぐ後ろだった。
「授業中に千明が寝ているのに気づいたので、私が後ろの席から椅子の足や底の部分を軽く蹴って起こしたら、急に怒り出したんです。そのときは足を何回も踏まれましたよ」
生真面目だがキレる沸点が低く、融通がきかない田舎のボンボン。そんな千明容疑者は、都心の家賃10万円ほどのけっこうなマンションで優雅に暮らしていた。
「群馬県の実家からは遠くて通えなかったんでしょうね。学校の最寄駅でもある駒込駅近くのマンションに住んでました。学校から近いので、昼休みに友達3~4人で彼の部屋に行って昼食をとることもありました。
部屋の中はシンプルでしたよ。でも彼は、僕らを泊めさせることは決してなかった。夜遅くまで遊んで終電を逃して『泊めさせてくれ』と頼んでも『ここは人を泊めちゃいけないところだから』と頑なでした。そんなことが何回もありました。
司法書士を目指していたので、管理規約を守る真面目さはあったんですね。司法書士はすぐに独立できる職種でもあるためか、彼はよく『人につかわれたくない』と言ってました。卒業後は連絡を取ってなかったので、結婚歴があることも知りませんでした」
女っ気が全くない尖ったナイフのような若者は、30年後にはガールズバーに通い詰める中年になっていた。“店外デート”を断られた男の手には果物ナイフがあった。そして、キレやすさだけは30年前と変わらなかった。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班