小学校ではバスケット、中学では演劇部で活躍
小学校の卒業文集に、谷沢さんは「将来の夢」というタイトルで、バスケットボールの世界大会に出ることをあげている。
人気バスケット漫画に憧れ、「みんなで心を合わせて全国一をめざすというところにとても感激しました」と自分の心情を分析。その中で、谷沢さんも「全国一」を超えて「世界大会にでたい」と、具体的な大きな目標を掲げ、日々ドリブルやパス、シュート練習を続けていることをわかりやすく表現していた。
将来の自分に向けて書いた“寄せ書き”には「どんな ふこうにものりこえて がんばって」と書かれている。
地元の中学に進むと違う未来が見えてきたようだ。中学時代の同級生の女性は、取材にこう証言した。
「友達から谷沢さんが事件の被害者で亡くなったってLINEが来てびっくりしました。中学を卒業してからは何をやっているとかは知らなかったので、ガールズバーで働いているというのも報道で初めて知りました。
彼女はおとなしいというわけではないのですが、どちらかと言うと目立たないタイプの子でした。部活は演劇部に入っていたとおもいます。
中学の卒業アルバムによると好きな言葉は「笑顔」、高校は都立の定時制高校に通ったという。
そして高校在学中にファーストフード店でアルバイトもはじめ、谷沢さんは音楽好きになり、ガールズバーでもヴィジュアル系バンド風の衣装で表現力を磨いていたようだ。
事件が起きた店舗「H」では「T」という源氏名で人気を博していたといい、現場には2年近く通っているという男性客が手を合わせに訪れていた。
「今日は通っているお店の子があのような形で亡くなってしまったので花を手向けにきました。僕の『推し』が無事だという連絡はきましたが、どの子が亡くなったかはわからないんですが…」
そう途方に暮れる男性に、谷沢さんの卒業アルバム写真を見せると顔色が変わった。
「え? Tちゃん! そんな……。推していた子ではありませんが、何度かヘルプでついてもらったことありますよ。明るくて、人見知りしない感じの子で、接客の感じから年齢を聞いてびっくりしました。
若いのにしっかり喋れる感じの子でしたから。たしかにTちゃんは4月ごろから店に出てたんで時期的にも符号しますね。体験入店かもしれませんが、初めてガールズバーで働くわけではないと言っていた記憶があります」