「『ちょっと東京行ってくる』と言って家を出ました」

千明容疑者が自宅を出て東京に向かったのは事件前日の26日午後7時ごろだった。車で渋川駅まで行き、そこからJRで新橋を目指したようだ。在来線で3時間近くかかる道のりだ。

「あの子は『ちょっと東京行ってくる』と言って家を出ました。そのとき、暗い感じで元気がなかった。なんかいつもと雰囲気が違ったの。寂しげな感じがした。

何で言ってくれなかったのか?って思います。言ってくれたら縛ってでも行かせなかったのに。根はいい子だから今でも信じられない。親が言うのはおかしいけど、几帳面な子だよ。

私と主人は身体が弱くて年中医者通いしてるから、息子が車でその送り迎えをしてくれていた。だからあの子は『送り迎え全部するからちゃんとしたところには勤められない。コンビニみたいなところで短時間働くしかないね』とも言っていました」

身柄を確保された千明容疑者
身柄を確保された千明容疑者
すべての画像を見る

最近は家業の農業を手伝い、栽培したさつまいもを干し芋や焼き芋に加工していたという千明容疑者。地元の公立中学では卓球部に所属し、県内の卓球強豪の私立高校に進学した。

「高校ではなぜか何も部活に入らなかったけど、昔から絵だけは得意でいつも金賞を取ってきた。その頃から法律系の仕事を目指してたけど、小学校の1クラスが50人以上もいる時代だったから、大学には行けなかったんだよね」

取材に応じる母親(撮影/集英社オンライン)
取材に応じる母親(撮影/集英社オンライン)