カバンに隠し持っていた果物ナイフで…
谷沢さんと千明容疑者の間には金銭トラブルが発生していたとみられ、警視庁は容疑を殺人に切り替えて調べを進めている。
「谷沢さんは今月初旬、警視庁に『マッチングアプリで知り合った男にお金を盗まれた』と相談しており、その男を『A』というあだ名で呼んでいました。
千明容疑者はガールズバーでも自分で『A』と名乗っていることから、2人の間に金銭関係のトラブルがあったことは間違いないようです。被害相談の際に谷沢さんは証拠資料の提出を求められたものの、それには応じず引き上げたために捜査着手にまでは至らず、その後にトラブルがこじれた可能性があります」(警視庁捜査1課担当記者)
現場はJR新橋駅の西、約300メートルにある雑居ビルの1階。千明容疑者は26日午後11時ごろに来店し、谷沢さんが接客して飲酒していた。
ナイフは刃渡り10センチ程度の果物ナイフで、千明容疑者がカバンに隠し持っていたという。早朝の繁華街で起きた衝撃の事件は、夜になっても余韻を引きずっていた。客引きの男性はこう振り返った。
「あのお店はキャストを入れ替えて24時間営業している店で、しかも裏の方にあるんで詳しい内情はわかりません。
ただ、今日の早朝は一帯がざわざわしていて規制線が張ってあったので、最初は事故かと思いましたが事件だったんですね。
そのすぐ後、午前6時半ごろにビジュアル系のバンドでもやっていそうな若い男性が、僕らキャッチに『Hって店知っていますか? 場所がわからなくて』と尋ねてきました。しかも、『Hで彼女が働いているのですが、ずっと彼女と連絡が取れなくて、昨日ガチ恋のお客さんが来ると言ってて心配で』と言っていたんです」
心配そうに声をかけてきた男性は、谷沢さんと親しかった可能性がある。
「そのカレには、さっき言ったような状況を伝えたうえで『大丈夫。他の人だよきっと。ただ連絡とれないだけだよ』と規制線のところまで連れて行ったんです。
カレは規制線を警備していた警察官に身内だと告げると、ガールズバーの社長が出てきて『彼女は被害に遭って今病院にいます』と伝えていました。
カレは顔面蒼白になり、そのまま社長と一緒に病院に向かっていきました。カレは年齢は22歳って言っていましたが、バンドとかやっていそうな普通の子でしたよ」