ザ・ビートルズ、マクドナルドに合同ハイキング…戦後の第一走者として時代を駆け抜けた団塊の世代の取扱説明書
1947年〜49年に生まれた団塊の世代の全員が75歳以上の後期高齢者になることによって起こる「2025年問題」。高齢化社会に伴う様々な問題が議論されているが、そもそも団塊の世代とはどんな人たちなんだろうか?
彼らが生まれ育った背景を『「シニア」でくくるな! “壁”は年齢ではなくデジタル』より一部抜粋・再構成し解説する。
「シニア」でくくるな! “壁”は年齢ではなくデジタル #1
合同ハイキングに冬のソナタ
【恋愛・結婚】
団塊の世代での大きな変化は、恋愛結婚の比率が見合い結婚を追い抜いたことだ。恋愛結婚といっても、実態は、会社の上司が自分の妹を紹介するなど見合い結婚に近い形も多かったが、数字上は恋愛結婚が優勢となった初の世代となった。
その他、男女の出会いの場となったのが合同ハイキングだ。一緒に山登りをしたり、ハイキングをしたりしながら親交を深める。さらに結婚後、大都市を中心に専業主婦が目立ってきたのもこの世代である。
かつては貧しい状態が続き、夫婦共働きでないと家計を支えられなかった。団塊の世代では給料が伸び、男性は仕事、女性は家事に専念するという分業制が、良くも悪くも確立され、初めて専業主婦文化も形成された。
2003年(54歳〜56歳)に韓国ドラマ『冬のソナタ』が人気絶頂となり、第1次韓流ブームを起こすが、ファンの中心は、実は団塊の世代の専業主婦。今に通ずる韓流ブームの先駆者となっている。これも固まりであり、「新しいもの好き」であるが故に、ブームを起こす力があることを物語る事例だ。
ただ、弊害も少なくない。そうした分業の固定化や、主婦として時間があるあまり、子供に過干渉する〝毒親〞になったり、姑になると今度は嫁に口を出し過ぎるようになったりするなど、家庭内の火種として問題化することになる。
団塊の世代のキーワード
競争意識、エネルギッシュ、北野武(ビートたけし)、封建性と革新性、ザ・ビートルズ、マクドナルド、テレビっ子世代、まんが雑誌、インベーダーゲーム、恋愛結婚、合同ハイキング、専業主婦
写真/shutterstock
「シニア」でくくるな! “壁”は年齢ではなくデジタル(日経BP)
原田曜平
2024年6月28日
1,980円(税込)
304ページ
ISBN: 978-4296205363
日本の若者研究の第一人者であるマーケティングアナリストがシニアを独自調査健康・お金・人間関係の悩みなど……リアルなシニアの実態が浮き彫りに! これから"黄金期"を迎えるシニアマーケティングの新常識が学べる1冊
この本は「シニア世代のマーケティング」について書かれた書籍です。
現在、日本で最大のボリュームを誇る「団塊の世代(1947~49年に生まれた人々)」が全員75歳以上の後期高齢者になることによって起こる「2025年問題」が、高齢化社会に直面した日本において、シニアのみならず幅広世代に重くのしかかろうとしています。
本書ではその問題を負の側面ではなく、消費という観点で捉え直しました。著者の原田氏はこれまで培った世代分析の手法を駆使し、独自調査に基づいて現在のシニアの実態をあぶり出し、そこに「デジタル」という大きな"壁"があることを突き止めます。そこから、現代のシニアが本当に生き生きと暮らせる方法を導き出し、目前に控えた「史上最高・最大級の高齢者マーケット」の攻略法について様々な角度から提案します。