「新発売」や「日本初」「世界初」に弱い

【消費・文化】
米国文化にどっぷりとつかった。ザ・ビートルズを聴き、髪形は長髪がトレンドとなり、1971年(22歳〜24歳)に上陸したマクドナルドのハンバーガーを食べ、コカ・コーラを飲んできた。

ザ・ビートルズ、マクドナルドに合同ハイキング…戦後の第一走者として時代を駆け抜けた団塊の世代の取扱説明書_2

米国東部にある名門私立大学の通称「アイビー・リーグ」の学生やOBの間で広まった紳士服のスタイルであるアイビーファッションも積極的に取り入れた。

上の世代であるキネマ世代は、記憶がないものの幼少期に戦争を体験している。一方で、団塊の世代は戦争体験とは完全に無縁であり、文字通り、戦争の呪縛から解放され、米国文化には何の抵抗感もなく、むしろ最先端のカルチャーとして率先して吸収していった。

こうして新しい米国文化を次々と生活に取り込んできたため、今でも、「新発売」や「日本初」「世界初」といった新しいものには敏感に反応する世代といえる。

キネマ世代(78~84歳 ※2024年現在)は映画と共に育ったのに対し、団塊の世代は小さい頃からテレビを見て育ったため、「テレビっ子世代」であることも特筆すべき点だ。

北野武も子供の頃は長嶋茂雄のファンであり、ジャイアンツ戦を見て育ち、子供に人気のあるものを並べた流行語「巨人・大鵬・卵焼き」を地で行くような少年時代を過ごしている。

もう一つ付け加えるとすれば、人口が多い世代ということもあり、初めて子供文化・若者文化の芽をつくっていった世代でもある。

まんが雑誌としていずれも1959年(10歳〜12歳)創刊の『少年マガジン』(講談社)、『少年サンデー』(小学館)が飛ぶように売れ、1978年(29歳〜31歳)にタイトーが開発した「スペースインベーダー(通称インベーダーゲーム)」が流行し、喫茶店に設置されたゲーム台に100円玉を積み上げ、昼休みに楽しむ団塊の世代の姿が目立った。

前者は日本まんがのコンテンツ力、後者は家庭用ゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」といった人気ハードにつながる、最初の流れをつくったといえるだろう。