「ハニートラップと思われても仕方がない経過がある」と発言

一方で関係者によると、鹿児島の女性県議のひとりが最近、Bさんの行為は「ハニートラップ」だと吹聴しているとの情報がある。

会見で記者のひとりがこの件に触れた際、大西氏は「申し訳ないんですけど、女性の矛盾がいっぱいあるなぁと思っているんですけど、男性の供述を詳細に、これは調査委員会の話ですから言えませんけど、ハニートラップと思われても仕方がない経過があるわけです」とも発言した。

「日本警察の父」と呼ばれる川路利良・警視庁初代大警視(現在の警視総監)の銅像が立つ鹿児島県警本部(撮影/集英社オンライン)
「日本警察の父」と呼ばれる川路利良・警視庁初代大警視(現在の警視総監)の銅像が立つ鹿児島県警本部(撮影/集英社オンライン)

「言えない」はずの調査委の議論をわずかに示しながらBさんに問題があったとする話法は続き、ついには「私もその、調査委員会のなかで『これは女性の側の強制性交じゃないか』と言いました。弁護士さんたちに。でも弁護士さんは、ごめんなさいねこれ、言ったらいけないんでしょうけど、『それは、そこまでは言えない』と。そういうふうに言われたような経過もありますけど、具体的には言えません」との発言まで飛び出した。

会見ではチャットのやりとりなどを医師会が資料として配ったことに対し、記事の冒頭のように「医師会はなぜそこまでするのか」という疑問の声が出た。これに常務理事の立元氏は「さらしすぎではない」と反論している。公表した情報だけでは“強姦がなかったとの証明にならない”と別の記者が指摘したことが理由だと立元氏は述べた。

その反論の後に、大西氏の発言は踏み込んだ表現になっていった印象だ。性被害を受けたという女性の申し立ては虚偽だとの説明を、会見に出席したメディアが素直に受け入れないと見て、“説得”を強めようとしたのか。

A氏とBさんの間に合意があったかなかったかは、警察が疑念を持たれない形で捜査をしていれば、結論への疑問も少なかったはずだ。

だが、鹿児島県警は前記事(#3)のとおり、捜査を始める前からA氏に「事件性はない」と伝え、警察の捜査よりも先に捜査権も専門性もない医師会が身内のA氏を「シロ」だと決めつけた。これでどうやって疑念がぬぐえるのか。

鹿児島県警本部(撮影/集英社オンライン)
鹿児島県警本部(撮影/集英社オンライン)
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取材・文 集英社オンラインニュース班