医師会「事実に基づかない一方的な記事が散見される」

「これとは別に、県警巡査長の藤井光樹被告(49)=懲戒免職、地方公務委員法違反罪で起訴=がA氏に絡む捜査資料を持ち出す事件が起きました。鹿児島県警は情報漏洩事件として今年4月8日、藤井被告を逮捕し、問題の資料を元に記事を書いた福岡のニュースサイト『ハンター』を家宅捜索しました。

この際、偶然に県警が確保したデータの中に、今年3月に退職した県警元警視正で前生活安全部長の本田尚志被告(60)=国家公務員法違反罪で起訴=が北海道のフリージャーナリストに送った内部資料があり、この“第2の漏洩”に気づいた県警は、本田被告も逮捕しました。

ところが、本田被告が“情報持ち出しは、県警トップの野川明輝本部長が現職警察官による犯罪のもみ消しを図ったことが許せなかったからだ”と主張し、大騒ぎになりました。その流れで、そもそもガサの名目になった情報漏洩に絡み、A氏の強制性交疑惑の捜査や医師会調査が妥当だったのかどうかがクローズアップされるようになりました」(社会部記者)

本田尚志・前生活安全部長(NHKニュースより)
本田尚志・前生活安全部長(NHKニュースより)

こうした事情は前記事(#2#3)で詳述した。そこで医師会は「鹿児島県警をめぐる一連の報道の中で、発端となったのが医師会の関与する事件で、県警と医師会が結託して事件を隠蔽したことから内部告発が来た、という主旨の事実に基づかない一方的な記事などが散見される」とし、これを否定するために会見を開いた、と立元氏は会見の冒頭で述べた。 

鹿児島中央警察署(撮影/集英社オンライン)
鹿児島中央警察署(撮影/集英社オンライン)

 A氏が「シロ」、すなわち性行為が合意の上であったことが県警との結託がないことを示す前提となるため、大西氏は「今日言いたいことは、たった一つなんです。われわれ、“素人の裁判”と言われるかもしれませんが、強制性交はないと判断しております」と強調した。

それを証明するには、行為があったあともA氏とBさんが親密だったとアピールする必要があり、そのために2人の間の私信を公開したというわけだ。