通話記録や雇用主・C氏との資料まで配布
Bさんの弁護士は「当然、公開には同意してない」と猛反発している。
公表されたやりとりは、プライバシー侵害に加担する恐れがあり内容を詳しく紹介できないが、Bさんが人物を取り違えて噂話をしてしまったと釈明したり、打ち合わせのために会う時間を尋ねたりする内容だ。
会見では、日時が記された2人の通話記録や、Bさんを支援している雇用主・C氏とA氏とのやりとりに関連する資料なども配布された。医師会は、こうした資料がスライドで大写しにされた会見の映像を、YouTubeでも公開している。
会見で大西氏は、Bさんのチャットを読み上げ、以下のように強調した。
「2人の仲を、いろんな話をするなかで調査しました。非常に仲がいいと。仲が良すぎて、怪しいと思う者もいた」
「(2人は)非常に、毎日のように長い電話をしております。20分のときであったり、2時間のときであったりですね」
だが関係者によると、Bさんは当時体重が100キロ以上あった巨漢のA氏に抵抗できず、最初の被害に遭ったあとは「現実ではなく悪夢だ」と自分に言い聞かせ、療養施設への派遣勤務期間が終わるのを待った、と周囲に打ち明けている。
会見でも、性暴力の被害者が精神的な支配下に置かれ、加害者に迎合することがあるのではないか、と質問が飛んだ。
これに対し、大西氏は次のように述べ、委員会では性犯罪被害者の心理が考慮されなかったことをうかがわせた。
「迎合はよくわかりません、私は。あるということは、知っていますけれども、迎合というのがどの程度まであり得るのか、そういう形の関係をずっと、1カ月間続けられるものだろうか」
さらに、性行為の合意があったかなかったかは、行為のあとではなく事前の同意の有無を見て判断すべきだと指摘されると、
「行為の時点での合意があった、なかったは、本当に言い分がまったく食い違っていますから、それを証明することはできないんです」
とも言い切った。それでも、「いろいろな調査結果、こういったメールとか、それが違うと言われれば違うのかもしれませんが、いろいろなものを総合的に判断して、決して隠蔽しようとか、そういう意図はなく、正直にこういう結論であろうという結果を出した」と説明した。
ただ、公表された行為後のやりとりでは、Bさんが事前に性行為に同意していたことはうかがえない。ここに話が及ぶと大西氏は、今回公開した資料は自分が個人的に収集したもので、調査委にはこれ以外に多くの資料があるが、それを公開しろというなら「女性を貶めることになりますよ」というのだ。