郊外を中心に選挙戦を展開する小池氏、その狙いは?
「私、小池百合子に東京大改革、第3幕をみなさま方とともに進めていきたい」
6月23日、青梅市のJR河辺駅前で小池氏は聴衆に向かって力強く叫んだ。
小池氏は22日には離島の八丈島を訪れ、23日には青梅のほかに奥多摩町のJR奥多摩駅前に訪れるなど、人口が多くて目立つ都心部ではなく、あえて郊外を中心に選挙戦を展開している。
その狙いは何なのか。永田町関係者は語る。
「小池氏が今回の都知事選で一番危惧しているのは、自身と蓮舫氏の対決が盛り上がって、その中で逆転を許すことだ。選挙戦が盛り上がれば盛り上がるほど、挑戦者である蓮舫氏が際立ってしまう恐れがある。
郊外を中心に回っているのは、支持固めの目的ももちろんあるだろうが、都心で舌戦を繰り広げる蓮舫氏をかわして、対決への注目を抑える狙いがある」
実際に選挙については一般的に、選挙戦が盛り上がらないほど現職にとって、あるいは固定の支持層や組織票を持っている候補者にとって有利に働くと言われている。
政治家としての自身の見せ方や見え方を徹底的に意識して、これまで政界を渡り歩いてきた小池氏らしい戦法であるとも言えるだろう。
一方で蓮舫氏は渋谷駅や池袋駅など、主要な駅で街頭演説を繰り返す、スタンダードな選挙戦を繰り広げている。
23日には錦糸町駅前で「小池さんは光に光を当てるのは得意です。でも東京で広がる格差。光と影。だったら私は影に光を当てて、その影がなくなるまで光を当て続ける都知事になりたい」と聴衆に訴えかけ、困窮者への経済支援などを充実していくと主張した。
蓮舫氏は連日、トレードマークとも言える白ジャケットを身にまとい、得意の蓮舫節を炸裂させている。
そして、第三の勢力として注目されているのが、ネット上での人気が高い前安芸高田市長の石丸氏だ。
石丸氏は22日、23日の土日にかけて20ヶ所以上でマイクを握り、「銀行で経済アナリストとして活動し、その後、市長として理論を実践した。経済を知る都知事として、東京を経済都市として盛り立てていく」と力を込めた。
なるべく多くの場所で街頭演説をし、1人でも多くの都民に姿を見せることで、ネット上での知名度を、実際の投票行動に繋げさせるよう邁進している。