過去には放火事件、爆破事件も…

毛報道官の発言にもあるように、靖国神社をめぐっては、これまで中国や韓国、北朝鮮は日本の当局者による参拝などを非難してきた。またこうした経緯をもとに中韓の国民による事件もたびたび起きてきた。

その一つが2011年12月に靖国神社で起きた放火事件だ。

翌2012年1月にソウルの在韓日本大使館に火炎瓶を投げ込んで逮捕された中国人の男が、前年に靖国神社にも火をつけていたことわかった。

日本は犯罪人引渡条約を結んでいる韓国に、男が10か月間の刑期を終えた後、引き渡すよう求めたが、引き渡しの是非を検討したソウル高裁は、男が裁判中に祖母が朝鮮半島出身で旧日本軍の慰安婦だったと説明したことなどを根拠に、送還の対象外となる「政治犯」と認定。男は日本に引き渡されず、中国へ送還された。

また、2015年11月には靖国神社の公衆トイレで爆発物が爆発し、12月に韓国人の男が逮捕された。これらの犯行は歴史問題が背景となる、日本政府や靖国神社への反感が生んだとみられた。

だが今回の事件は、行動が迷惑系ユーチューバーと変わらず、過去の事件とは毛色が違うようにも思われる。

空港に到着したと思われる「鉄頭」
空港に到着したと思われる「鉄頭」

靖国神社に向かって挑発ポーズをする男を直撃 

鉄頭の帰国の報がネット上に流れた3日午後、記者が現場を見ようと靖国神社の石柱を訪れると、マスクをかけた男性が石柱に向けて右手の中指を立てながら、左手に持ったスマホで撮影している場面に出くわした。

男性の後ろをついて行くと、今度は拝殿や本殿に向けても同じことをしている。話を聞こうと声をかけたが「OK、OK、OK」とだけ言って足早に去って行った。

この男性の国籍などは判別がつかなかったが、中国のSNSで「靖国神社」と検索すると中指を立てた記念写真の投稿が数多くみられた。

インバウンドの増加に観光業界は大喜びだが、なかにはこうした迷惑系も多く含まれているのも現実である。

靖国神社に向かい“挑発ポーズ”を何度もとって撮影していた男(撮影/集英社オンライン)
靖国神社に向かい“挑発ポーズ”を何度もとって撮影していた男(撮影/集英社オンライン)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班