狙われる首都圏の動物園

今年は大都市部でも新たなリスクが顕在化する恐れがある。東京では昨年11月に町田市の青少年施設でクマが出没し、12月には八王子市役所から500メートルほど離れた河川敷でクマらしき大型の動物が目撃されている。

都内のクマの出没地といえば、奥多摩町や檜原村といった山間の地域だったが、住宅が密集する市街地にも、いよいよクマの足音が近づいてきている。

「クマは河川を伝って下流へと移動します。東京都の地図を見て気になるのは、昨年の町田市の出没地から川伝いに下ると『よこはま動物園ズーラシア』(神奈川・横浜市)があり、八王子市の出没地からは『多摩動物公園』(東京・日野市)につながります。

2018年7月、秋田県鹿角市にて出没した120キロ級のオスグマ(米田氏撮影)
2018年7月、秋田県鹿角市にて出没した120キロ級のオスグマ(米田氏撮影)
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私が住む広島県では、クマが動物園に入り込み、一時休園になる事態がほぼ毎年起きています。実は、動物園はクマのターゲットにされやすく、6月の交尾期には園内で展示されるメスグマを求めて、夏以降は餌を目当てに園の柵を越えて忍び込んでくることがある。大都市部にある動物園も、クマの侵入に備える対策が必要です」

いくら動物園とはいえ、野生のクマが園内を闊歩するのはご勘弁願いたいところだ。

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取材・文/興山英雄