磯野家の食卓ではなぜご飯がおいしいのか…

そんな中、磯野家の晩ご飯に、伊佐坂先生からもらったというわさび漬けが出る。波平とマスオさんがおいしそうにわさび漬けを食べているのを見て、カツオも思わずパクり。だが小学生には辛すぎたのか、慌てて水を飲んだ。

この様子を見たサザエは、浜口くんも妻の前で、おいしそうに3種類以外の別メニューを食べてみたらどうかと発案する。この案を聞いた恐妻家のアナゴさんは「なんて恐ろしいことをするんだ。奥さんの嫌いな料理を目の前で食べるなんて。わが家でそんな嫌がらせをしたらどんなことになるか!」と否定的だったが、いざ実践してみると大成功。浜口くんが「おいしいおいしい」と言いながら食べる様子を見て、浜口くんの奥さんも思わず、浜口くんのおかずを食べ、そのおいしさに気づき、食わず嫌いが克服されたそうだ。

その晩、磯野家の食卓でマスオさんは、この経験を通して「おいしそうに食べるって大事なことなんだね」と実感したと語る。フネも「料理したほうも作りがいがありますからね」とうなずく。磯野家はみんながおいしそうにご飯を食べていることに気づき、波平は「だから一家そろって食べるご飯は、いちだんとおいしいのかもしれんな」と話を締めるのだった。

今回、唐突に登場した浜口くんというレアキャラだが、評論・情報系同人誌サークル『サザエさんじゃんけん研究所』所長に聞くと、準レギュラーキャラになることはなく、あくまでこの回きりの登場になるのではないかという。

「『サザエさん』の登場人物は長期間固定されていて増減が発生しないことが特徴です。話の中で新たに親しくなる人がいても、必ずその話限りでその後は二度と登場しません。そのようなキャラクターは完全に一度きりの登場なので、私にとってはレアキャラ未満の扱いで“名前付きモブ”と呼んでいます。今回登場した浜口も名前付きモブに分類されます。過去にもマスオの同僚として浜口が登場しましたが、容姿が全く異なるため、たまたま同じ名前が付けられたモブと考えています」(所長)