女の子を書くこと、女の子への崇拝
――爪さんは『クラスメイト~』に出てくる女子に「これ、自分のことだ」って特定されないように配慮して書きましたか?
爪 そうですね。名前や家族構成を変えたりして、特定されないように気を付けています。
鈴木 まあ、でも本人は分かりますよね。
爪 本人は分かります、多分。そしてさっき言った通り、嫌がると思いますよね(笑)。
鈴木 でもね、爪さんの文章は女としては怒りづらいと思いますよ。自分に対してある種の愛しさをもって書いてくれているのがすごく伝わってくるから。さっきもおっしゃっていましたけど、崇拝にも近いというか。
爪 崇拝というのは多分あって。学校で、朝女の子が挨拶してくれるだけで嬉しかったんですよ。イケてない僕に気さくに喋りかけてくれる女の子に対してはみな尊敬の念がありました。
それはさっき申しあげたように、小さい頃に父親に植え付けられたもので、今後も変わらないんじゃないかなと思いますね。一種の業のようなものなので。
写真/shutterstock
撮影/織田桂子
構成/土佐有明