女の子を書くこと、女の子への崇拝

――爪さんは『クラスメイト~』に出てくる女子に「これ、自分のことだ」って特定されないように配慮して書きましたか?

 そうですね。名前や家族構成を変えたりして、特定されないように気を付けています。

鈴木 まあ、でも本人は分かりますよね。

 本人は分かります、多分。そしてさっき言った通り、嫌がると思いますよね(笑)。

「車椅子の女性との初体験を話していいのか戸惑っていた」「愛しさを持って書いてくれているのが伝わる」根本にあるのは女性への崇拝《爪切男・鈴木涼美対談》_3
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鈴木 でもね、爪さんの文章は女としては怒りづらいと思いますよ。自分に対してある種の愛しさをもって書いてくれているのがすごく伝わってくるから。さっきもおっしゃっていましたけど、崇拝にも近いというか。

 崇拝というのは多分あって。学校で、朝女の子が挨拶してくれるだけで嬉しかったんですよ。イケてない僕に気さくに喋りかけてくれる女の子に対してはみな尊敬の念がありました。

それはさっき申しあげたように、小さい頃に父親に植え付けられたもので、今後も変わらないんじゃないかなと思いますね。一種の業のようなものなので。


写真/shutterstock
撮影/織田桂子 
構成/土佐有明

『クラスメイトの女子、全員好きでした』
爪 切男
『クラスメイトの女子、全員好きでした』
2024年5月21日発売
660円(税込)
文庫判/256ページ
ISBN: 978-4-08-744647-0
「おまえは、女の子と恋はできないだろう」。突然、父から突然の宣告を受けた少年は、クラスメイトの女子をひたすら観察することにした。宇宙一美しいゲロを吐く女の子。水の飲み方が妖怪みたいな学校のマドンナ。憧れのプロレスラーそっくりの怪力女番長。全員素敵で、全員好きだった。面白くて、情けなくて、ちょっぴり切ない恋の記憶。読めばきっと、恋をしたくなる! 全21編のスクール・エッセイ。
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