1日で3000万円失ったケースも
こうした入り口から、オンラインカジノにのめり込む若年層が急増し、なかには高校生が 被害を訴えるケースもあるという。
原則として、高校生はオンラインカジノに登録できないものの、その裏には「登録代行業者」が暗躍している。X(旧ツイッター)上でつながった業者に、PayPayで送金を行うと、登録済みのアカウントにアクセスできるというのだ。
さらにオンラインカジノは、常習性や依存性も高い。スマホで24時間プレイできて、クレジットカードはもちろんのこと、電子決済や仮想通貨で入金できるため、際限なくお金を注ぎ込める環境下にある。
「オンラインカジノが悪質なのは、ギャンブル依存になるまでのスピードが速いところです。私たちの団体に駆け込む人の声を聞いていると、登録してから2~3年で数千万単位のお金を溶かし、なかには1日で3000万円飲み込まれた人もいます。
なぜオンラインカジノでは大金を失いがちなのか。それはカジノやカードゲームなど対人 形式のギャンブルであるがゆえに、射幸心が煽られやすいからです。
例えば、他のプレイ ヤーが大きな金額で勝負していたら、自分もつられるように賭け金を上げてしまいがち。他のプレイヤーが大勝ちしていれば、自分も一攫千金を狙おうと躍起になりやすい。特に負けがかさんでいる局面では、賭けた金額を取り返そうと大金を賭けてしまうものです。
しかもゲーム自体にスピード感もある。たかが何回かカードをめくれば勝負がついてしまうので、お金を失うペースも速いわけです。『もう辞めよう』と決意しても、後日ポイントプレゼントキャンペーンといった勧誘メールが執拗に来るので、非常にタチの悪いギャンブルなんです」
ギャンブル依存症は、当事者が否認してしまうところも厄介なポイントだ。ギャンブル依存症は誰にでも起こりうる病気であり、仕事や子育てに熱心な真面目な人間でも、依存に陥る可能性は充分考えられる。普通に生活している自分が、まさか依存症の当事者とは思わぬまま、気づけば短期間でお金を注ぎ込んでしまうケースも珍しくない。