闇金の返済に追われ自殺
「親族や親戚の口座から、合計3000万円が引き出され、家を売ることになりました」
「お金を渡さないと、息子が暴力を振るうため、怖くて家に帰れません」
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」のもとには、上記のような相談が次々と寄せられる。いずれもギャンブル依存症に陥った10~20代が、金銭面でのトラブルを抱えたことが発端となり、家庭崩壊につながってしまったケースだ。なかには法外な利子をとる闇金業者に追われ、自殺してしまったケースも報告されているという。
こうしたトラブルは近年頻出しており、2022年に寄せられた相談の4割以上は、20代によるものだったという。
「ギャンブル依存症の低年齢化が進んでいるのは、オンラインカジノによる影響が大きい です。オンラインカジノはスマホから24時間プレイできるため、コロナ禍を機に利用者が 急増し、アクセス数が100倍近くなったプラットフォームもありました。
さらに有名サッカー選手が広告塔になっていたり、YouTuberがプレイ実況動画を配信していたりと、簡単に認知できてしまう現状があります。そこから興味本位で始めた若者が、どんどんと沼にハマってしまう。若ければ若いほど、短時間で大金が動く刺激から離れられず、ギャンブル依存に陥る危険性が高くなります」
そう語るのは、公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表の田中紀子さんだ。
実際に、YouTubeでは、オンラインカジノを実況している動画は無数に出てくる。その大半は、動画の冒頭に「オンラインカジノを宣伝・推奨する動画ではない」と警告しているものの、蓋を開けてみれば射幸心をあおるようなコンテンツばかりだ。また、アスリートが宣伝していることで、合法プラットフォームだと思わせる側面もある。