古文の解釈について教師と言い争いになった
同じく同級生のDさんは突然の辞意表明報道にショックを受けながらこう語った。
「えーっ、平太辞めちゃうんか! まあ、これまでにも失言しとったし、あいつは大学の先生とかのほうが向いてたんちゃうかな...。成績も優秀やったし大学も経済学部に進んだって聞いたから、当時からそっち方面の研究者にでもなるんかと思ってたんよ。しゃべりはうまかったけど、別にみんなの前で演説をふるうような生徒会長タイプでもなかったしな。
国際日本文化研究所センターの教授になったときは、『やっぱりそっちの道に行ったか』と思ってたんや。だからその何年か後に同級生から『平太、静岡県知事になるみたいやで』と聞いたときは心底驚いたわ
同じく同級生のDさんには政治家として県職員を束ね、県民に奉仕する「平太」の姿は想像がつかなかったようだ。一方で一言居士たる気質は知事になっても変わらなかった。
「古典の授業で古文の解釈について教師と言い争いになったのは有名な話で、あいつがなにか問題になることを言うたびに『また平太がなんかやっとるで』って話題になったもんよ。だから県知事になったあとも、リニアの件でテレビに映るたびに『平太のことだからこれ(リニア)は難しいやろな』って思ってた。
今回の失言も『平太らしいわ』って面白半分で見てたんやけど、まさか辞職することになるとはなあ...。やっぱり平太は大学の先生とかのほうが向いてたんやろうな」
約60年前の青春時代を振り返る同級生たちにとって、「平太」の変わらぬ頑固さは、なつかしくもあるのだろう。三つ子の魂百まで、なのか。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班