中学受験率は?
中学受験をした比率は、100人中62人でした。塾通いをしていた人のほとんどは中学受験をしているようです。受験先としては、灘、開成、麻布、桜蔭や豊島岡女子学園など、有名どころが多い印象です。中学受験をしている人の世帯年収は1000万以上の家庭から400万~600万の家庭まで、幅広く存在しています。ここに年収による有意差は見られませんでした。
逆に中学受験をしていない人の多くは、そのまま学区の中学校に進学しています。中学受験をする人の多くが中高一貫校に通うので、中学受験は早めの高校受験と見て取れるでしょう。ここで失敗した人でも、高校受験でリベンジを図るケースもあります。
中学受験の利点はいくつかありますが、やはり大きいのは「高い教育水準へアクセスできること」でしょう。中学受験を通じて進学する学校は、通常教育水準が学区の公立中学校よりも高く、質の高い教育プログラムを受けられたり、特別なカリキュラムに参加できたりします。これらは、お子さんたちにより高度なスキルや知識を身につけてもらうのに役に立ちます。優れた中学校には、教育環境が整備されているので、勉強に専念するためのリソースや設備が整っています。
例えば、行われる授業がどこまで詳しく教えてくれるかで考えても大きな違いがありますし、それらの授業を経て出てきた質問に対して、どれほど手厚く対応してくれるかも、学校によって異なります。一般的には、良い中学校であればあるほどに、良い学習環境が提供されます。高校受験をするにしても、中学校の内容をより高いレベルで学ぶことができるため、公立中学校に通う生徒よりも比較的有利な位置からのスタートを切りやすいことは間違いありません。
また、将来の進学機会を拡大するものでもあります。優れた中学校、特に有名私立中高一貫校を卒業することで、偏差値の高い大学へ通うチャンスが生まれます。一般的に中学受験で一部の中高一貫校が有名になっているのは、東大進学率の高い高偏差値の高校へエスカレーター式に上がっていく権利が手に入るためです。
図/書籍『東大合格はいくらで買えるか?』より
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