東大生は男性が8割
東大は学部学生の8割が男性である。それはどのようなものなのか、具体的に考えてみよう。
東大の新入生は理科一類から三類、文科一類から三類という「科類」に基づいて入学を許可される。これらの科類は後に学生が専攻する専門とある程度関連している。入学者全体の男女比率は8対2だが、科類によって比率が異なる。
たとえば大半の学生が工学部や理学部で学ぶことになる理科一類には1割ほどしか女性はいない。逆に多くが文学部、教育学部、教養学部で学ぶことになる文科三類の女性比率は4割ほどになる。
新入生はおおむねこの科類と、基本的に全員必修とされる「初修外国語」(いわゆる第二外国語)の選択で「クラス」が決められ、「理科一類でドイツ語選択のクラス」などとして分けられる。このクラスは単に同じ教室で授業を受けるだけではなく、一緒に入学オリエンテーションをしたり、学園祭の催しをしたりするなど、東大1、2年生の学生生活の基本単位ともなる。
それぞれのクラスには30名から50名ほどの学生が所属するが、科類と選択する初修外国語によって女性の比率が変わってくる。たとえばフランス語は概して女性の履修者が多く、文科三類のフランス語クラスは女性比率が半分になることもある。
その一方、合格者数が一番多い理科一類には各学年1100名ほどが所属しているが、先述したように女性はその1割程度なので必然的に各クラスの女性の数は少ない。フランス語クラスであっても2割を超えることはほとんどない。また、東大は女性がクラスに1名だけにならないよう編成するため、1割しかいない女性がある程度まとめられる傾向があり、結果的に男性のみのクラスもできてしまう。
このようなクラスで駒場キャンパスの教養学部時代を過ごした学生たちは、3、4年生では専門を深めるために、教養学部に残る一部の学生を除き、ほとんどは本郷キャンパスにある諸々の学部に移動する。ここでも学部間で男女比はかなりばらつきがある(表3)。
たとえば教育学部、薬学部、教養学部(教養後期=3、4年生)など、女性の比率が3割を超えている学部がある一方、工学部と理学部は1割程度である。