小林社長は「進退は今のところ考えていない」
会見で小林社長は「情報は適切に上がってきて適切に判断していた。我々はできる限りのことを進めていたが、結果として遅かったと批判されているので反省している」と話した。
対応が適切だったとする根拠については「(対処する上で)一番大事なのは因果関係。(健康被害の件数が)4、5件あったが(サプリとの)因果関係はわからなかった」と説明。製品と健康被害との因果関係が把握できれば製品の回収にかかるとの会社独自のガイドラインを定めており「(3月18日に回収を決断するまでは)今回のケースはこのガイドラインにあたらなかった」と繰り返した。
報道陣からは「原因が特定できなくても健康被害の恐れがあれば公表すべきではなかったのか」との声も上がったが、小林社長は「進退は今のところ考えていない」として引責辞任の考えはないと表明し、サプリメント販売などのヘルスケア事業も「私どもも許されるなら(国民の健康維持のため)貢献、商品開発をしていきたい」と述べた。
商品出荷前の品質検査でなぜ混入がわからなかったのかとの質問に、同席した幹部は「このような未知の成分の混入は想定していなかった」と語った。
一方、プベルル酸が検出された原料を製造した大阪工場は昨年12月に閉鎖され、製造ラインは和歌山に移されているため、生産現場の衛生状態の検証が本当にできるのか、との声も上がっている。
会社幹部は会見で「(残されていたサンプル検査で)おおむね昨年4月から10月に製造された紅麹のロットから(プベルル酸が)見つかった」と説明したが「亡くなった人のうち一人は紅麹コレステヘルプを2021年ごろ、別の1人は2022年初めごろに摂取したとの情報があります」(社会部記者)といい、整合しない部分もある。
この間にも消費者の不安は広がっている。60代の男性は「内臓脂肪やらコレステロールが気になる年齢と体型なんで、そういう類のサプリは結構試すんですよ。回収対象のナイシヘルプも買ったことがあって、紅麹コレステヘルプも半年以上前に試したことがあります。リピートしていたら入院沙汰になってたかもしれないと思うと怖いです」と話す。