人材不足から若手が登板
極度のプレッシャーで「うつ」も
日本のあらゆる業界と同じく、建設業界でも労働者の高齢化と若手の人手不足が深刻な問題となっている。これらの影響で、経験の浅い若手の施行管理が責任者の役割を担うことも増えているという。
「近年、ベテランが引退したのちに責任者になった若手の施行管理がプレッシャーでうつ病になるケースが問題視されています。現場で職人さんに詰められて、一方では工期やコストに追われる。組織の中間管理職のような仕事を、まだ経験の少ない20代の若手が担当することで、心を病んでしまうのです。若手の育成もうまくいかないですし、悪循環になってしまっています」
ちなみに建築現場のイメージとして、「職人さんに厳しく叱られる」といったイメージもあるが、令和のいま、昭和な感覚はまだ残っているのだろうか?
「荒っぽい人が多いというのは事実ですが、誤解してほしくないのは、現場で職人が怒鳴るのは、命がかかわっているからです。落ちた物が人に当たれば、致命的な事故につながる可能性がありますし、ヘルメットを着用せずに現場に入った人に対しては、安全のために厳しく指導するのは当然。
また、建築現場は騒音が多いため、声がかき消されないように大声を出すことは必要なことです」