SNSをやりたくないホスト
ホストは女性調査官による直接的な内観調査だけでなく、例えば、テレビ出演時の映像から税務調査されることもある。
人気ホストがシャンパンタワーにシャンパンを注ぎ込み、その後に店から現金で報酬をもらう様子がテレビで放送され、それを見た税務署がじっくり検証して内観調査する手間が省けた、という事例もあった。
そのため、メディア出演を頑なに拒否するホストもいるが、一方で知名度と人気は密接に関係するため、自分の活動をXやInstagramなどのSNSでさらす必要がある。このご時世、客の多くがホストのSNSを見て来店するため、ホストクラブ側も所属するホストに対して、積極的にSNSで発信するように推奨しているのだ。
しかし、税務署もまたホストのSNSをチェックしており、税務調査で言い逃れされないよう、それらの情報を証拠として残しているという。
例えば、SNSで高級車と自分の写真を投稿するホストもいるが、これも経費として認められるのだろうか? 風俗業・キャバクラ・ホストクラブなど夜職の案件を取り扱う税理士法人松本に見解を聞いた。
「SNSに投稿するだけなら特に問題ありませんが、高級車等を仕事以外でも使っているのであれば、車両代金の全額を経費として計上するのは説明が難しくなります。走行記録を管理した手帳を作ったり、プライベート用の別の車を保有したり、仕事以外で使った分を客観的に説明できるような資料作りが必要になります。
また、収入が少なくて確定申告をしていなかったり、税金を払いたくないから怪しい経費を多く入れて極度に所得を抑えていたり、収入と買い物が釣り合っていない場合などは、税務署が見逃さないと思います。
高級車を購入できるお店は限られていますし、税務署が販売元に確認すれば、誰が何を購入したかはすぐバレます。購入後に名義を変えたとしても、車検証があるので、現在の所有者はすぐわかる。言い逃れはできません」