婚活での出会いも「タイパ」重視に

その実情について結婚相談所イノセント代表で婚活アドバイザーの坂田啓太さんに聞いた。

「対人関係にストレスを感じる人は増えた印象があります。初対面の出会いやいろんな人とのコミュニケーションの場が減った影響なのかもしれませんが、自分の友達や学校・会社での交友関係にはない相手との会話がスムーズにできなかったり、過度にストレスを感じたり、コミュニケーション力が落ちている印象があります」

また、コロナ禍以降の婚活の特徴として効率的な出会い、いわゆる「タイパ」を求める人が多くなったと坂田さんはいう。

「マッチングアプリでたくさん連絡を重ねて何人も会って、自分が求める条件に合う人を見極めるというよりは、効率よく、いい出会いを探している人が結婚相談所に来る方には多いかもしれません。特に20代の方々には、自分より上の世代がアプリの出会いでいろんな失敗をしたり、成就しなかった経験を知っていたりするからか、出会いに慎重で、マッチングアプリの利用経験はなく、初めての婚活が結婚相談所という方が非常に増えています。

またコロナ禍以降、婚活をする人で是が非でも結婚したいという方はあまり多くない印象です。社会全体の中で『結婚』の価値が下がっていると思います。『子どもは作りません』とはっきり明示する女性も増えました」

お見合い中に「ラブホ」発言、通算46回目のお見合いで相手が激怒して退席、映えを意識して二重整形…アフターコロナの婚活事情_3

結婚そのもののプライオリティが低くなりつつある日本社会の中で、『ザ・ノンフィクション』に登場したようなパワフルに婚活に励む男女は以前ほど多くないという。だが、通算46回もお見合いをしたり、全身脱毛したり、二重整形したり、葛藤しながらも婚活に励む彼らがいることも紛れもない現実である。自分と向き合って婚活に奮闘する彼らに幸せが訪れることを願いたい。

文/集英社オンライン編集部