「派閥解消でより裏金づくりがしやすくなる面も…」
裏金事件をめぐっては、野党側が、「実態解明のため」として裏金を受領した議員リストの提出を求めるなど、国会での攻勢を強めている。
世論の反発も受け、岸田文雄首相が、自身を本部長とする「政治刷新本部」を立ち上げて政治不信の払拭に躍起となっており、総裁派閥の「岸田派」(宏池会)をはじめとして、「安倍派」(清和政策研究会)や「二階派」(志師会)、「森山派」(近未来政治研究会)が次々と解散を発表。森山裕総務会長ら党幹部が収支報告書の不記載があった議員からの聴取も始めた。
連立を組む公明党側からは、収支報告書での不正があった場合、議員本人も法的責任を負う「連座制」の適用を提案されるなど、身内からの圧力も日に日に強まっている。政治資金規正法の改正も含めた抜本的な対策が不可避の情勢だが、議員側からはこんな声も漏れ聞こえる。
「派閥を解消するのは情勢としてしかたがない面もあるが、政治資金の受け皿となる政治団体がなくなってしまえば、カネの流れはかえって見えにくくなる。これまでよりも裏金づくりに走る議員が出てくることにもなりかねない。派閥のガバナンスが効かなくなることによる弊害もあるはずだ。今の情勢ではこんなことも大きな声では言えないのだろうが……」
政界を覆う「黒い霧」は我々庶民が想像する以上に濃いのかもしれない。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班