「仲のいいご夫婦でした」
事件は同日午後8時50分ごろに夫婦と同居する長男から「仕事から帰宅したところ両親の姿がなく、床に血痕がある」と110番通報があり、発覚。血痕は玄関付近に集中し、一部に拭き取った跡があった。警視庁が捜索を続けたところ、18日午後に床下からブルーシートに包まれた夫婦の遺体を発見、2人とも上半身を中心に複数の刺し傷があった。
社会部デスクが解説する。
「長男が16日朝に出勤する際は異変がなく、室内に物色した形跡もなかったため、交友関係の絞り込みを進めたところ容疑者特定につながった。というのも、容疑者がかつて長男と交際をしていたものの、金銭トラブルから両親と不仲になり、結婚を反対された経緯があったようです。警視庁はモラレス容疑者が自宅から出したゴミの中に血のついた衣服が含まれていることも確認しており、殺害についても関与しているとみて調べを進めています」
高橋さん一家は足立区内の別の地域に住んでいたが、2年ほど前に現在の住宅を購入、転居してきた。近くに住む60代の女性はこう話す。
「2年前に引っ越しされてきたときは、息子さんがご挨拶にお見えになりました。地味な感じで話し方も優しく、穏やかな人だなという印象でした。女性関係が派手そうとか、誰かの恨みを買うようなタイプには見えなかったですね。
ただ、息子さんは若い女性と歩いていたり、車に乗って2人でどこかに向かうところを見かけたことがあるので、てっきりその女性と結婚されてるのかと思ってました。ご両親も顔を合わせれば挨拶はしますし、仲良さそうにご夫婦で話してるところをよく見ましたよ」
一家が以前住んでいたマンションのすぐ近くにある飲食店店主はこう振り返る。
「高橋さん夫妻、息子さん、妹さんの4人でたまに食べにきてくれました。いつもご家族仲よさそうにワイワイ食事していましたね。奥さんは明るく人当たりのいい方で、旦那さんは寡黙であまりしゃべらなかったけど、ヤンキーというか、昔はそっち系だったのかなって感じに見えました。刺繍が入ったジャージを着ていましたね。自宅の玄関には不良漫画の『クローズ』みたいなフィギュアやステッカーとかたくさん飾ってあったんで、旦那さんが好きだったのかもです」