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ショークラブ『バーレスク東京』で見せたプロ意識

『クラブNanae』で大金を舞い散らせたてんちむだが、黒服の平出さんがてんちむのプロ意識を感じたのはショークラブ『バーレスク東京』でのパフォーマンスだった。

『クラブNanae』での成果はてんちむの能力によるものも大きかったが、『バーレスク東京』での成果は努力によるものが大きかった。その証拠に『クラブNanae』は清々しい笑顔で卒業したが、『バーレスク東京』の卒業公演後は子どものように顔をクシャクシャにして泣いた。

六本木にある『バーレスク東京』は“新感覚エンターテイメント”がコンセプトのショークラブで、ポールダンサーからバーレスクダンサーまで幅広いスキルを持ったダンサーたちがハイクオリティなダンスパフォーマンスを披露する。

特徴的なのは、専用チップ『Rion(リオン)』(1枚100円)を推しのダンサーやキャストに渡すチップシステムだ。バストやヒップなど衣装の隙間にねじ込むのがいかにもショークラブであり、六本木らしい空間になっている。

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ショーは本格的で、ダンスに加えて早着替えなどバックステージでの段取りも頭に叩き込み、本番では慌ただしく動き回りながら客席へのファンサービスも行わなければならない。ステージには手練れのキャストたちがずらりと並ぶので比較されやすく、てんちむは『クラブNanae』より『バーレスク東京』でのナイトワークをプレッシャーに感じていた。

「振り付けを覚えてパフォーマンスを披露するバーレスクは、ほかのキャストに見劣りしないか不安でした。月曜日から金曜日までは『クラブNanae』、土日は『バーレスク東京』ってスケジュールで、ダンスを覚える時間が『クラブNanae』での勤務前後しかなくてカツカツだったんです」

『バーレスク東京』より先に『クラブNanae』での勤務をスタートしていたため、『クラブNanae』の黒服・平出さんもバーレスクの初舞台に向けて猛練習に励むてんちむを見ていた。

「隙間時間があればドレス姿のままダンスの練習をしていました。仕事終わりにラーメンをすすりながら『レベルが高いダンスに挑戦するか迷っているんだよね。やったほうがファンの子は喜んでくれるかな?』と聞かれたり、アフターが終わった3時過ぎからダンスレッスンを受けに行く姿を見たりしていたので、本当にこの子はすごいなと思ってました」