発達障害だと気付き、生きるのが楽に

転機を迎えたのは2年前。ひきこもり始めた当初はテレビを観るのが息抜きだったが、YouTube が流行り始めると山田さんは夢中になった。

2年前に発達障害者の動画を初めて観て、驚いた。以前から発達障害という言葉は知っていたが、まさか自分がそれに該当するとは思ってもいなかったからだ。

「“発達障害あるある”っていろいろありますが、1から10まで自分に当てはまるんです。空気が読めないとか、こだわりが強いとか。聴覚過敏もそう。

私は子どものころからコミュニケーションがうまくできない部分があって、手が出ちゃったこともあるし、学校で言っちゃいけないことを言ってトラブルにもなった。それが全部、アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)で説明がつくんだなと思ったんです」

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その後、ADHD(注意欠如/多動症)にも該当する部分があると思った。サッカーの試合会場などで偶然、隣に座った人に「貧乏ゆすりをやめてください」と、半年間で2回も注意されたのだという。他人に指摘されるまで、自分がそこまで激しく貧乏ゆすりをしていることにも気がついていなかった。

検査は受けていないので診断が確定したわけではないが、「自分も発達障害だ」と思ったことで、まさしく人生が一変する。

「小学校から中学、高校と周りにいる人間が変わっても、ずっといじめられていたから、やっぱ俺になんか問題があるんだと感じて、自分を責めていたんですよ。ひきこもったのもそうですよね。なんで人とうまくやれないんだ、なんで自分は働けないんだって、コンプレックスがずっとありました。

でも、それは生まれつきなんだから、しょうがねえだろうって思ったら、すごい楽になったんです。すごく生きやすくなりましたね。なんか、今はもう晴れ晴れとして、精神状態がすごい落ち着いているんですよ」