職業訓練校に入るが、席にずっと座っていられない
川原愛美さん(仮名=40)は30歳を過ぎて、保育士の資格を取るため職業訓練校に入った。幼いころ長く入院した経験があり、「いつか小児科で病棟保育をやりたい」という夢が、心の中にはずっとあったのだという。
「病院育ちだからでしょうね。その世界しか知らないから、そういう夢を持つ子は多いんですよ。病棟保育の求人はほとんどないのは知ってたけど、保育士の資格を取っておけば、いつかチャンスはあるかもと。医師にあこがれる子も多いけど、大体、途中で無理だとあきらめて、看護師になりがちなんです」
職を転々としてギリギリの生活を続けてきた川原さんにとって、職業訓練校は2年間の学費が無料なのも魅力的だった。