日本の「第6世代」戦闘機の自衛隊配備は2035年前後

KF-21は全長16.9m、全幅11.2m、全高4.7m、乗員1/2名で、F-35とほぼ同じサイズだ。最大積載量7700kg、エンジンはアフターバーナー付きのF414-GE-400K2発で、最高速度はマッハ1.81に達する。高い性能を持つとされる国産のAESAレーダー(アクティブ・フェーズド・アレイ)、さらには欧米の空対空ミサイルやレーザー誘導爆弾など、飛行制御や電子戦装置は最新のものが搭載される予定だ。

いずれにしろ、韓国にとってKF-21は悲願の国産戦闘機となる。金大中大統領が自国での戦闘機開発計画を打ち出したのは01年のことだった。開発資金不足もあり、政府内では戦闘機は輸入したほうがコストがかからないという意見も根強く、プロジェクトは何度も立ち消えそうになったという。

輸出を含め、兵器産業が好調な韓国
輸出を含め、兵器産業が好調な韓国

ただ、戦闘機本体やその装備のトラブルに長年泣かされてきた韓国にとって、米国などから輸入するだけでは機体のブラックボックス化はいつまでたっても解消しない。そのため、反論を封じて自国開発へと大きく舵を切ったというわけだ。

この間、韓国は米ロッキード・マーチン社の技術支援を受け、「第4世代」のFA-50という軽戦闘機を独自開発し、輸出も順調に推移するなど、着実に航空技術に磨きをかけてきた。

同じ時期、我が国日本でも韓国同様、国産戦闘機開発の機運が高まっていた。しかし、F-2戦闘機はF-16をベースにした日米共同開発へと、「第5世代」戦闘機も米国からF-35ライトニングⅡを購入して間に合わせることとなり、その機運は萎みがちだった。

ようやく、2020年末に「第6世代」の次期戦闘機を英国、イタリアと共同開発することとなったものの、自衛隊への配備予定は10年以上も先の2035年前後だ。