相次ぐ中国軍無人飛行機の飛来
中国の偵察型無人機「BZK-005」1機と、有人の情報収集機、哨戒機2機の計3機が沖縄本島と宮古島の間を飛行し、太平洋上に向かったのは11月14日のこと。
その4日前の10日にも、中国軍のものと推定される無人機1機が東シナ海から尖閣諸島北方を南進し、その後に大陸方面に戻ったことを防衛省が確認している。
すぐさま空自南西航空方面隊から、日本人パイロットが操るF-15戦闘機がスクランブル発進したこともあって、中国機は領空侵犯することなく、尖閣諸島まで80キロの地点で反転して事なきを得たが、こうした日本領海周辺での中国無人機の飛行は今年に入って6回目となる。
とくに沖縄本島と宮古島の間の通過は、中国軍が台湾周辺に弾道ミサイルを打ち込んだ8月4日に無人機が飛来したケースがあったものの、10日のように尖閣諸島周辺にまで接近したことはこれまでになく、中国軍の日本領海周辺での動きが新たなステージに突入したと言える。
尖閣諸島周辺は領空侵犯を未然に防ぐために戦闘機が発進する日中それぞれの「防空識別圏」が重複している。そのため、中国にすれば「自国の識別圏で自軍の飛行機を飛ばして何が悪い」と開き直れるだけに、こうした中国機の飛来は今後も激増するだろう。
防空識別圏でお互いが有人機の場合は、「こちらは日本の航空自衛隊である。日本の領空に近づいているので進路を変更せよ」などと、中国機に無線で警告したり、進路を誘導することができる。しかし、パイロットが搭乗していない無人機ではこうした事前の警告も無視され、機能しないことが憂慮されるのだ。