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ベールに包まれていたバッファローマンの過去

バッファローマンの代名詞といえば、超人強度1000万パワーを活かしたド迫力のパワーファイトだ。彼の超人強度を上回る者はその後も多数登場しているが、バッファローマン=パワーファイターのイメージは、今なお健在だ。一方で、バッファローマンには機を見るに敏な策略家の一面がある。むしろ、後者のほうが本質的に彼の実像を捉えているかもしれない。

それを象徴する一戦がある。超人動静に詳しい「週刊HERO」の翔野ナツ子記者が指摘する。

〈キン肉マン事件簿〉悪魔と正義のあいだを臆面もなく行き来する…バッファローマン裏切の履歴書〈『キン肉マン』特別企画#3〉_1
「6」を「9」にすることでキン肉バスターを破ったバッファローマン ©ゆでたまご/集英社
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「バッファローマンはキン肉マンと初対戦したとき、彼の必殺技キン肉バスターを破っています。ステカセキング、ブラックホールを撃破したこのフェイバリットホールドを独自の視点で分析。一見、完璧に見えるこの技を数字の『6』に見立て、それを逆さまの『9』にすれば、技をかける側が受ける側になるという弱点を見抜いたのです。これはキン肉マンの10倍以上の超人強度を誇るバッファローマンだからこそ可能な離れ技ですが、ただの力まかせではない、こうした柔軟な発想力が彼の持ち味でもあるのです」

「6」を「9」に変える――それはまさに、「変節」と「裏切り」を繰り返していくバッファローマンの生き様を象徴している。そもそもは悪魔超人のリーダー格として世に登場したバッファローマンだが、遡れば実は正義超人の端くれだったのだ。

ここに1枚の写真がある。スーツを着用し、ネクタイを締めた体格のいい青年。ジャケットのボタンはきちんと留められ、タイピンもつけたフォーマルな着こなしだ。サラサラヘアの頭からは2本の角が伸びており、顔つきはどことなく自信なさげだが、まぎれもなく若き日のバッファローマンである。

〈キン肉マン事件簿〉悪魔と正義のあいだを臆面もなく行き来する…バッファローマン裏切の履歴書〈『キン肉マン』特別企画#3〉_2
若かりし頃のバッファローマン ©ゆでたまご/集英社

宇宙超人委員会を退職していた元職員が今回初めてメディアの取材に応じた。

「超人ホイホイを脱獄した7人の悪魔超人が日本に襲来した後、私は上司のハラボテ・マッスル委員長と同僚と3人で、7人のなかでもベールに包まれていたバッファローマンの過去を密かに調べ始めました。そして衝撃の事実に辿り着いたのです」

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