「4年後に立ち上がってこいと言うなら…」

議員会館の一室に、黙々と荷物をまとめる元衆院議員のA氏(当選1回)の姿があった。補欠選挙での当選からわずか1年半。部屋に運び込まれた荷物は、段ボールにして10箱にも満たない。

「もともと在職期間が短いですから、荷物はそんなに多くないんですよ。今日の夕方には地元へ戻ります」

淡々と語るA氏だが、その言葉のはしばしには、党の戦略に対する複雑な思いが滲む。今回の選挙で、中道は「旧立憲と旧公明の合流」による相乗効果を狙ったが、有権者の反応は冷ややかだった。

「結局は『結果論』ですよね。勝っていれば合流の是非も違って見えたんでしょう。私の選挙区には公明党の幹部がいて、選挙協力の兼ね合いで比例重複すら許されなかった。小選挙区一本での勝負、自分では競り合えると思っていたんですが……フタを開けてみれば惨敗でした」

宿舎前に停まっていたトラック(関係者提供)
宿舎前に停まっていたトラック(関係者提供)
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A氏が今、最も懸念しているのは「金」の問題だ。議席を大幅に減らしたことで政党交付金は激減する。次の解散までおそらく4年。その間、優秀な人材を繋ぎ止める資金が党に残されているのか。

「4年後に立ち上がってこいと言うなら、資金は必要不可欠です。今は今後の身の振り方を考える余裕もありません。ただ、支えてくれた秘書が『次の食い扶持を探します』と言っているのが、本当に申し訳なくて……」

A氏はキャリーケースを押しながら宿舎を後にした。数時間後の夕方。地元である関西地方へ新幹線で帰るという。

2月11日の議員会館、祝日だが多くの業者の出入りがあった
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