空の虹色のフルコース
太陽側の席で出会える現象も多く、機体が昇った空に薄雲が広がっているときなどには、様々な現象を同時に見られることがあります。
地上から空を見上げた場合、太陽の周りに円状の「ハロ」ができますが、地平線が空を遮るため、ハロ以外の「アーク」と呼ばれる虹色の現象は地上からは空が見えている場所にだけ現れることになります。
一方、空から眺める場合、遮るものがないため、とても多くのアークに出会えます。
太陽の周りにはハロ、その左右に「幻日」、それらをつなぐ「幻日環」。さらに、太陽の上には「上部タンジェントアーク」、下には「下部タンジェントアーク」。てんこ盛りのフルコースを楽しむことも可能です。
深く、吸い込まれるような空の青
飛行機に乗るとき、味わってほしいのが「空の青さ」です。
空は高いほど青く、地平線近くでは白っぽくなります。これは、地表近くにはチリなどの微粒子(エアロゾル)や水蒸気といった光を散乱するものが多いためです。
空が青いのは、私たち人間の目で認識できる光である「可視光線」のうち青い光が散らばっているためです。
エアロゾルが多い空の下のほうでは様々な色の光が盛んに散乱し、複数の色の光が重なった結果、白っぽく見えるのです。
反対に、高い空にいるときに上を見ると、すごく深い青になっています。水蒸気やエアロゾルの量が極端に少ない上空では、青そのものがダイレクトに目に届くからです。深く吸い込まれるような青に包まれるのも空の旅の楽しみです。