ハリウッド俳優に感じたメソッド演技の極み
──約50年前に創刊した「ロードショー」は、長らく洋画を中心に扱ってきた媒体です。みなさんが好きなハリウッドスターや映画について教えていただけますか?
(通訳さんの質問を聞くと、おーっ! とそれぞれに声をあげながら話し始めた3人。好きなスター、映画がありすぎて、今すぐ決められないよといった感じでしばし盛り上がっていた)
チ・チャンウク 好きな俳優はたくさんいますが、映画だと『ファイト・クラブ』(1999)のブラッド・ピットとエドワード・ノートン、『エターナル・サンシャイン』(2004)のジム・キャリー。本当に素晴らしいです! これについて話しだしたら、明日まで話し続けてしまいますね(笑)。
ウィ・ハジュン 僕もハリウッドスターで憧れの人は本当に本当にたくさんいるのですが、誰かひとりあげるならダニエル・デイ=ルイスです。『マイ・レフトフット』(1989)や『父の祈りを』(1993)などを見たときに、これこそがメソッド演技の極みではないかと感じたことを覚えています。こんなふうに演技によって人は変われるものなのだろうかと思ったものです。
好きな作品も本当にたくさんあるんですよね。比較的最近のものでは『マリッジ・ストーリー』(2019)がすばらしかった。アダム・ドライヴァーとスカーレット・ヨハンソンが夫婦を演じているのですが、あまりにも現実的に描かれているからこそ、ほろ苦い余韻の残る作品だなと感じました。
<取材後記>
最後の質問では、なんと時間切れでイム・セミさんの答えを聞くことができず無念! 人気者たちの取材ではしかたないことかもしれませんが……。映画や俳優名が挙がるたびに、残りのふたりは声をあげて相槌を打ったりうなずいたりしている姿に、本当に映画が好きなんだなあと、しみじみと胸が熱くなる思いがしました。
取材・文/今祥枝
『最悪の悪』
1995年、韓国から日本へ流れる麻薬密売組織を解体するため、韓国と日本が合同捜査に乗り出す。田舎町の刑事ジュンモ(チ・チャンウク)は、昇進を狙って新興の犯罪組織に潜入捜査する。まさか自分が、妻のウィジョン(イム・セミ)と犯罪組織のボス、ギチョル(ウィ・ハジュン)の複雑な関係に踏み込むことになろうとは考えてもいなかった。逃れられない運命の輪に巻き込まれ、ジュンモの不安は募る。ミッションが完了すれば、彼らは元の生活に戻れるのだろうか? このゲームで最後に笑うのは誰なのか、最悪の悪は誰なのか? 監督を務めるのは『傷だらけのふたり』のハン・ドンウク、脚本はチャン・ミンソク。
ディズニープラス スターにて独占配信中
(全12話/初回一挙3話、4話以降は毎週水曜2話ずつ配信、最終週は3話一挙配信)
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