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業界一を誇る定額制見放題270,000本以上
日本でもコロナ禍をきっかけに急速に拡大した動画配信(VOD)サービス市場。定額制動画配信(SVOD)の国内の市場規模は、2022年は前年比16.7%増で4,508億となり、市場シェアはNetflixが4年連続首位。2位に浮上したのがU-NEXTだ(*1)。
中でも圧巻なのは、業界一を誇る定額制見放題の270,000本以上というラインナップ数。うち映画の本数は15,000本以上にのぼる。最新作はもちろんのこと、未公開や旧作、マニアックな作品から権利関係で現在鑑賞が難しくなっているレア系まで多岐にわたりカバーしていて、多くの映画ファンから絶大な信頼を得ている。そうした多彩な映画をユーザーに届ける手段として、あたかもビデオレンタル店の棚組のような感覚で提示される特集企画も好評だ。
──まずは林さんの経歴から教えてください。
2014年にU-NEXTに入社する前は、当時ギャガの出版部門(のちキネマ旬報社)が発刊していたビデオレンタル業界誌『ビデオ・インサイダー・ジャパン』にいました。そこでの経験が、今のU-NEXT映画部が掲げる「ビデオレンタル店の最終進化形」という発想に繋がっています。
日本の映画文化を映画館とともに根底から支えてきたのは、ビデオレンタル店でした。もっともレベルの高い映像コンテンツを地上波テレビ局が無料で送り続けてきた日本において、何千万もの人たちがお金を払って映像を求めに行っていた唯一の存在がビデオレンタル店なんですね。
海外の配信事業者は参入当初、おそらくペイチャンネルの代替になろうとしていたと思いますが、私たちはレンタル店のような存在になれないかと考えていました。
ただし、当時の配信映画のラインナップは非常に少なくて、どこのプラットフォームでも2017年の時点で映画の見放題は2,000本程度でした。これではレンタル店のような姿とは程遠い。そこで覚悟を決めて一気にアクセルを踏んで買い付け、この6年間で7倍の15,000作品を超えるようになりました。
──それだけ本数があると、逆に何を見たらいいかわからないというユーザーも多いですよね。
かつての「いいビデオレンタル店」は、1人1人のお客さんに声をかけたり、棚組で提案をしていましたよね。「こんな作品が入ったよ」と渡してくれたりするところもあった。だから、その心配にはレンタル店がすでに答えを出してくれています。
僕自身、大学時代にそうやって店員さんにおすすめされた作品を見てきた経験があります。デジタルになったとしても、映画が大好きで仕方がない生身の人間が配信の向こう側にいるということがわかる方法はないかと、常に模索しています。特集作りに力を入れてきたり、U-NEXT映画部のメンバーがnoteで発信したりしているのも、その一環です。