タイムリミットは最大10日間、元通り体を組み合わせれば生き返る
まさに〝悪魔の所業〟だった。
ただ幸いにも、バラバラになったミートくんは、仮死状態だったことが判明する。バッファローマンはミートくんの生首を片手に、野太い声でこう説明した。
「心配することはない。もとどおり体をくみあわせれば生きかえる」
キン肉星シュラスコ族の神童ミートくんは、全身に甚大な衝撃を受けた際、バラバラになることでダメージを分散しつつ、一時的に仮死状態をキープできる特異体質の持ち主だった。このとき、ミートくんに残されたタイムリミットは最大10日間。バッファローマンがそれをなぜ知っていたのかは判然としないが、7分割されたミートくんの部位は、悪魔超人7人がそれぞれ一つずつ所持した状態に。そして片方の口角を上げ、悪意に満ちた表情のバッファローマンは、こう真意を明らかにしたのだった。
「ミートをかえしてほしけりゃ、今日から10日以内にわれら7人と対戦して全勝しろ!」
宇宙警察元幹部が指摘する。
「リーダーのバッファローマンの行為は、未成年の少年超人ミートくんに対する殺人未遂にほかなりません。さらに6人の仲間と共謀し、7分割された少年超人の体をそれぞれで領得しています。相手が人間ならあり得ないことですが、少年の肉体を生きたまま分解し、7人で7か所に拉致した奇怪な人質事件と言い換えることもできるでしょう。そもそも彼らは宇宙ホイホイを脱獄した身でありますが、キン肉マンの弟同然ともいえるミートくんの命を盾に自分たちの要求を無理やり飲ませようとする行為は、人間界ならテロリストそのもの。まさしく悪魔超人です」
こうして非道かつ鮮烈なデビューを果たしたバッファローマン。彼が引き起こしたミートくんバラバラ事件を機に、悪魔超人VS正義超人の対立軸は顕在化。両陣営による長い死闘の火蓋が切られたのである。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
落下豆男
#1 超人史上類をみない“凶悪事件”「ミートくんバラバラ事件」を週刊誌事件記者が活写! 主犯は〝超人ホイホイ〟に収容されていた1000人殺しのあの男だった!〈キン肉マン特別企画〉
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