「作曲家以外になりたいと思ったことは1回も、1秒もない」

作品名を聞いただけで、その劇中のBGMを思い出せる作品が、誰しもきっとあるはずだ。

連続ドラマなら『ガリレオ』、『SP』、『MR.BRAIN』、『新参者』、『謎解きはディナーのあとで』、『安堂ロイド』、『軍師官兵衛』、『花咲舞が黙ってない』、『昼顔』、『銭の戦争』、『東京タラレバ娘』、『半分、青い。』、『リーガルV 元弁護士・小鳥遊翔子』、『テセウスの船』、『日本沈没ー希望のひとー』など70番組以上。

テレビアニメなら『PSYCHO-PASS』、『ジョジョの奇妙な冒険』(3部以降)、『ガンダム Gのレコンギスタ』など多数。

映画なら『踊る大捜査線』(THE MOVIE3、4)、『3月のライオン』、『亜人』、『カイジ ファイナルゲーム』、『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』など、これまた多数。

そして、これらは彼が手掛けた作品のごく一部。
「作曲家・菅野祐悟」の名前は知らなくても、ここに列挙した作品のどれかは観たことがある人が大半だろう。

――27歳でフジテレビ系月9ドラマ『ラストクリスマス』にてドラマ劇伴(映画やテレビドラマ、演劇、アニメ等の視覚作品に合わせて流される音楽)デビューした菅野さんですが、いつ頃から作曲家を目指していたんでしょうか?

小学校1年のときの「将来の夢」の作文で「作曲家」と書いていました。そのころから「作曲家になる」って思ってましたね。父親は普通のサラリーマンなんですけど、オーディオマニアだったこともあって、小さいころからジャズやクラシックを聴いて育ったんですよ。

それで4歳からピアノを習い始めてたんですけど、1年生のときにピアノ教室のレッスンの一環で作曲してみようっていうのがあって、お世辞だったのかもしれないですけど、先生にすごくほめられたんです。なんかそのときに「あ、自分は天才なんだ」って(笑)。

菅野祐悟氏
菅野祐悟氏
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――小1で作曲して、もうすでに才能を自覚していたと。

それ以来、作曲はずっとしているんですよね。勉強は好きじゃなかったし、運動は苦手だったし、あとはピアノも実は自分では得意だとは思ってなくて。でも作曲は好きだし、すぐにできたんですよ。

だから僕にはそれしかなくて、生まれてこのかた作曲家以外になりたいと思ったことは1回も、1秒もない。小学生時点で「作曲家になりたい」ではなくて、当たり前のように「作曲家になる」って思ってました。

――ちなみにJ-POPはあまり聴いてなかったですか?

いやいや、聴いてましたよ。TM NETWORKとかB'zとかX JAPANとかBOØWYあたりは世代なんでCD持ってましたし。小室哲哉さんの影響はけっこう受けてると思います。