危険な動物も頻繁に出没するように

メガソーラー開発前の段階では、この地区でも「反対運動」が行なわれてはいたが、県主導で推し進めていた背景もあり、しぶしぶ受け入れるしかなかったという。
近隣住民の頭を悩ませるのは、景観の問題だけではない。

「森林伐採がはじまって以降、クマ、ニホンザル、カモシカといった動物が山のふもとまで下りてくることが増えたんです。特にクマはこれまで月1回程度しか現れなかったのに、『POLICEメールふくしま』(福島県警メール配信システム)には、毎日のように目撃情報が寄せられるようになりました。
これが森林伐採によるものかわかりませんが、やっぱり不安ですよね」(同)

高湯温泉は標高750メートルに位置する
高湯温泉は標高750メートルに位置する

同地区で町内会長を務める30代男性のもとにも、近隣住民からのクレームが絶えないという。

「晴れた日だと、工事の影響で山全体に土ぼこりが舞うこともしょっちゅうで、『火山灰みたいにフロントガラスに土が積もって困っている』『喘息が悪化しないか不安だ』といった声が町内会にも寄せられています。
実際、サルやイノシシといった動物を見ることも増えましたし、この前なんて近所のハックルベリー畑をサルが群れになって荒らしている光景を目にしました」