SNSで「原発処理水がゴジラに変える」と中傷
こうして安全性が保たれているいわき市の海産物だが、いまだに中国のSNSでは「悪魔日本」「畜生国家」のほか、「小日本」という蔑称をつかって「あいつらは地球上に生存させるのにふさわしくない」などの誹謗中傷が相次いでいる。
さらに誹謗中傷はエスカレートし、フェイク動画が拡散される事態となっている。
2020年にロイター通信が、メキシコで海に未処理の下水が流れ込んだと報じた動画を「日本の処理水放出」、北海道のオホーツク海に生息する「オオカミウオ」という巨大魚を「放射能で変異した魚」として紹介するなど、まさに無法地帯だ。
そして、直接的な迷惑行為をする中国人も出現している。
「福島県をはじめ、全国各地の自治体や飲食店、学校、個人宅などに中国の国番号“86”からはじまる番号による迷惑電話が相次いでいる。
なかには『あなたはバカですか?』と一方的に暴言を吐いたり、ののしるような言葉を使って処理水をめぐる対応に抗議する内容もあり、歯止めの効かない状況になっている」(前出・情報番組ディレクター)
もちろん、小名浜漁業のあるいわき市もそのいやがらせに頭を悩ませている。いわき市内の鮮魚店の30代女性従業員もそのひとりだ。
「うちのお店のインスタグラムに見知らぬアカウントから中国語で『原発処理水は彼をゴジラに変える(原文翻訳ママ)』と送られてきたんです。
そのアカウントは普段は友達と遊んだり、旅行先での思い出の写真を投稿しているような普通の人だったので、腹も立ちましたけど、なんだか悲しくなりました」