岡田監督の考えは「わざと登板間隔をあける」
とはいえある程度結果を残したピッチャーや、対戦数が増えてきたピッチャーは、どうしても相手が研究し、対策を練ってきます。
大竹投手も、これまでと同じようにはいかないという懸念はあります。シーズンを通じて先発ローテーションを守った経験があるわけでもないので、体力面や精神面での不安もあるでしょう。
ただ、大竹投手は、自分ができることをよく理解していますし、たとえ対策されたとしても、先発投手として投球術を駆使し、試合を作っていくことはできるのではないかと思います。
岡田監督も、打者目線としての考え方から、同じチームと何度も対戦するのを避けるため、わざと登板間隔をあけることを考えているようです。
今年の阪神タイガースは、先発投手を6人できっちり回すというよりも、西純矢投手や才木浩人投手などを含めた8人程度でシーズンを乗り切るためのローテーションを組んでいます。8月以降、青柳投手や西勇輝投手が本来の姿を取り戻せば、前半戦以上に余裕をもてます。
後半戦で、必ず苦しい時期がくることを思えば、今年の阪神タイガースの投手陣は、シーズンを通じて非常にいいアプローチができていると言えるでしょう。
そういえば、5月27日、甲子園での巨人戦で、7回を無失点で投げ切った大竹投手に代打が送られた直後、近本光司選手が均衡をやぶる先制タイムリーヒットを放ち、大竹投手がベンチで感極まって涙するシーンがありました。
気持ちはわかりますが、そこで何かが終わったわけではないので、泣く必要はなかったのでは…と個人的には思います。
聞くところによると、熊本県立済々黌高等学校2年時にエースとして出場した夏の甲子園大会で、藤浪晋太郎投手がいる大阪桐蔭に敗れた時も、人一倍泣いていたそうです。
強い思いを持って、自分の投球や野球と向き合っているのだろうなということは感じとれましたが、それならば、移籍後初勝利の時に泣いてもよかったのではないかとは思うので…。機会があれば本人に聞いてみたいと思います。
構成/飯田隆之 写真/共同通信社