「2か月たってやっと公式に認めた形です」
日産のイバン・エスピノーサ社⻑は同日開いた記者会見で「⾮常に⼤きな痛みを伴う決断だ。成⻑軌道に戻るためにはやりきらなければいけない」と話した。
日産の説明では追浜工場の車両生産は日産自動車九州(福岡県苅田町)に移管する。工場跡地の用途は決まっていない。追浜にある総合研究所や衝突試験場などは残すという。
神奈川県は日産自動車創業の地で、本社も横浜にある。中でも追浜工場は生産技術を確立する「マザー工場」の役割を持つ国内の主力生産拠点で、湘南工場とともに消えることで神奈川県内の完成車工場はなくなる。
「日産の工場閉鎖は2001年の村山工場(東京都武蔵村山市)以来で、今回2工場がなくなれば国内の完成車工場は3か所になります。生き残りをかけホンダと統合協議を進めた日産は、ホンダが出した日産を完全子会社にする案に反発し今年2月に統合を破談にしました。
そして25年3⽉期連結決算では最終的に6708億円もの巨額の赤字を出し、5⽉に経営再建に向け世界に17ある完成⾞⼯場のうち7⼯場を2027年度までに閉鎖する計画を発表しました。このうち国内は追浜、湘南両工場が対象になると読売新聞がすっぱ抜きました。地元や取引先には不安が広がっていましたが、日産はこの報道について2か月経ってやっと公式に認めた形です」(全国紙経済部記者)
約2400人が働いているとされる追浜工場では15日に従業員らに発表があるとアナウンスがあった。集められた従業員らに閉鎖計画や転勤先の希望はできるだけ聞くとの趣旨の説明が行なわれたという。