平均寿命や健康寿命の延びとともに、「セックス寿命」も延びている
また、セックスやマスターベーションから遠ざかって過ごしていると、「いざ」というときに思うように機能しなくなります。「使わなければ性器は劣化する」わけです。
振り返れば、1947年当時の日本の平均寿命は、およそ50歳。そんな時代に、50~60代でセックスを楽しむことは、あまり考えられなかったのも頷けます。しかし、人類未踏の高齢化社会を迎え、男性は約81歳、女性は約88歳にまで平均寿命は延び続けています。平均寿命が90歳、100歳……といった時代も、遠からず訪れるかもしれません。
また、健康寿命(日常生活を制限なく送れる期間)も延び、今や男女ともに70歳を過ぎても、健康的に生活できているわけです。ですから、平均寿命や健康寿命の延びとともに、セックスができる期間、つまり「セックス寿命」も延びていると考えるのは、とても自然なことです。
とはいえ、ただ単に平均寿命とともにセックス寿命が延びたことで、60歳以降に誰もが「人生最高のセックス」を味わえるとは限りません。私のこれまでの医師としての知識と経験、中高年の性に対する調査結果から、60歳以降でもセックスを楽しむには何が必要か、お話ししていきたいと思います。