地元住民は「大阪の恥やね」
「正直いって、今の黒門市場は『大阪人はアホです』って外国に知らしめているようなもん。大阪の恥やね。だってアイツら、さんざんインバウンドで値上げしたくせに、いざコロナで外国人が減ったら、クジ引きや“500円目玉商品”みたいなイベントやって、ウチらに『助けてください~』ってすり寄ってきたんやで?
で、コロナが終わったらまた同じような殿さま商売を始めたんよ。この前、あそこの店主が『笑いが止まりませんわ』って言ってたらしいで。コロナの3年間でアイツらは何を学んだん? まず地元の客あってこその商店街だろ!と言ってやりたいわ」(40代主婦)
「10年くらい前に商品の値段を観光地価格につり上げる店が増えたので、ここではほとんど買い物しなくなりました。
商品のラインナップも、鮮魚店さんだと『大トロ』や『タラバガニ』といった外国人ウケのよさそうなモノばかりに変わってしまって……。お店の人は儲かるからいいだろうけど、私はマグロは赤身でいいです。昔の黒門市場に戻ってほしいです」(50代女性)
このような声に対して、商店街の責任者はどう考えているのか? 黒門市場商店街振興組合の副理事長・丸山和久氏はこう語る。
「2015年ごろから外国人観光客向けに値札を多言語表記にするだけでなく、いわゆる観光地価格で商売をする店も増えました。
しかし、地元住民からはSNSなどでも辛辣な意見が多く、現在は薄利多売、かつ日本人と外国人双方のお客様にも喜んでいただけるような商品をラインナップして魅力的な市場にしようと努めています」
組合の取り組みの一つとして「適正価格(百貨店の販売価格と同程度)で商売しましょう」という遵守事項を盛り込んだ誓約書を配り、啓蒙を図っているというが、丸山氏はこう頭を悩ませる。
「インバウンドが高まるなかでオープンして、そのまま組合に加入していないお店も多い。すべての店舗の価格状況は把握できませんが、そういった新規店の一部は、店舗家賃が高いということもあり、どうしても商品価格をつり上げざるをえない。
これは当組合としても家主さんとお話して、少しでも家賃を下げていただけないか理解を求めています」
後編では、そういった店舗に直撃してみる。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
後編〈カニ足4本3万円〉“ぼったくり”の批判相次ぐ黒門市場、店の言い分。新規店は「ここなら儲かる」とやる気満々、古参は「インバウンド前から地元客は来なくなってた」と本音を吐露
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