ハードコアの最高峰と語り継がれるバンド、
ミクスチャーロックの先駆けバンド……
リップクリーム、レピッシュ

9枚目!
LIP CREAM
「KILL UGLY POP」
(アルバム 1986年リリース)
筆者イチオシ曲『KILL UGLY POP!!』

再注目の機運高まる1980年代邦楽インディーズの世界を知りたかったら、この10作を聴け!_10

1984年から1990年までという比較的短い活動期間だった(2010年に一夜限りの再結成あり)にもかかわらず、今もジャパニーズハードコアの最高峰として名前を挙げる人が多いリップクリーム。ハードコアパンクはかっこいいリフの一発勝負で曲の良し悪しが決まることが多いが、リップクリームの曲には独特のうねりや展開があり、シーンの中でも一際異彩を放っていた。
本作はリップクリームのインディーズファーストアルバムで、捨て曲はない。

10枚目!
LÄ-PPISCH(レピッシュ)
「ANIMAL BEAT」
(ミニアルバム 1986年リリース)
筆者イチオシ曲『HARD LIFE』

再注目の機運高まる1980年代邦楽インディーズの世界を知りたかったら、この10作を聴け!_11

1987年にはメジャーデビューし、インディーズブームから続くバンドブームを牽引する役割を担ったレピッシュのインディーズ初音源。レピッシュはスカを基調とするバンドだが、単純なスカではなく、パンクやファンク、その他ワールドミュージックなどの要素を混ぜ込んだサウンドが特徴。ミクスチャーという言葉がまだなかった頃だったので、レピッシュの革新的な音に多くのインディーズファンが驚き、すぐ夢中になった。
『HARD LIFE』はジャングルビートも取り込んだようなユニークな曲調で、今聴いても非常にかっこいい。



さて。
このテーマで第二回目を書き終えた僕の感想は、まだまだ全然物足りねー、という感じだ。
だって冒頭で書いたとおり、当時夢中になった山のようなバンド群の中から、10に絞るのはなかなか厳しい作業なのだ。
いま頭に浮かんでるだけでも、紹介しきれていないバンドがまだたくさんある。
たとえば……。

スタークラブ、アナーキー、あぶらだこ、じゃがたら、ローザルクセンブルク、ばちかぶり、E.D.P.S、突然段ボール、DOC-Oi、ハイディナッシュ、おちょくりShys、フラットバッカー、EP-4、吉野大作とプロスティテュート、キャ→、パパイヤパラノイア、空手バカボン、赤痢、THE WELLS、ロンドンタイムス、DOOM、D-DAY、アンジー、OUTO、ZOUO、ゲロゲリゲゲゲ、奇形児、S×O×B、グレイトリッチーズ、G-シュミット、あけぼの印、FUCK GEEZ、IB SINGER、ゲンドウミサイル、肉弾、木魚、ペーターズ、THE POGO、THE SHAKES、I-SPY、マスターベーション、オキシドール、スカフレイムス、THE 305、非常階段、ハナタラシ、オートモッド、サディサッズ、アレルギー、ROSE ROSE、ガーリックボーイズ、きどりっこ、痛郎、招き猫カゲキ団、水玉消防団、メトロファルス、泯比沙子、YBO2、ソドム、コンチネンタルキッズ、カムズ、モブス、スワンキーズ、白(KURO)、死ね死ね団、ピッキーピクニック、ミンカパノピカ、クララサーカス、のいづんずり……。
いや、これ終わらんな。

しかし我ながら、よく覚えているものだ。
このエネルギーと脳のメモリーを、もう少しだけ勉強に割り当てておけば、今頃もっと出世してリッチマンになってたかもしれないのに。

まあいいや。人生はパンクなので。
そんなわけで、また会いましょう。


文/佐藤誠二朗